92.ビルさんと蜥蜴退治

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>部屋の中でファイティング・ベーグルの操縦訓練をしばらく行った後、ビルさんが言った。「連中が来るから外を飛ぶ練習をしておきましょう」私は武者震いをした。「はい」「私に着いて来てくださ…

91.ビルさんの魔法

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>ビルさんに言われて連中が来る前の準備に入った。「武器はどうしましょう?」「これがいいでしょう」ビルさんが指したのはサイドボードの上に置かれたパン籠だった。母が焼いた色々なパンを食べ…

90.寒い日はお汁粉に限る

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>突然台風がやって来て雨と風で寒い日が続きます。こんな日は暖かいお汁粉が一番。縁側や廊下だと寒いので部屋に入って畳の上で頂くのがよい。まったりと汁粉を頂いていると猫のクェンティンがじ…

89.コロナ禍で突然の夏休み

電子書籍を書いています。楠田文人です。 >>電子書籍はこちらコロナが流行ってからと言うもの、皆さんと同じですが仕事が激減しました。時間だけはたっぷりある。なので普段はできないことをしようと思い、プログラムの勉強を始めました。BASIC、PASCAL、辺…

88.寒のサンタクロース

電子書籍を書いています。楠田文人です。 >>電子書籍はこちらサンタクロースのソリを引くトナカイ8頭の名前は、ダッシャー、ダンサー、プランサー、ビクセン、コメット、キューピッド、ドナー、プリッツェンで、よく知られているのが追加された真っ赤なお鼻…

87.小春日和のトナカイ

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>サンタクロースが猫に仕事を依頼したことが判明した冬の日、トナカイ達は相談のため長老の屋敷に集まった。暖かな小春日和の朝で、座敷からは遠くに頭に雪を被った富士山が見えている。何故トナ…

86.冬のトナカイ

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>サンタクロースとトナカイの戦いが始まり、北国は足を踏み入れられない状態になってしまった。サンタクロースの住処には、クリスマスに配る予定のおもちゃが山のように転がっていたので、サンタ…

85.秋のトナカイ

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>トナカイは確かこう言っていた。 「ソリを他の動物に引かせず、私達の要求を聞いてもらうためです」 サンタクロースへの要求とは何だろう。そう言えば、「鹿とか犬とか、猫とか狸に頼むって情報…

84.夏のトナカイ

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>コロナがぶり返したような世の中、梅雨の空は曇り続きで外に出られず、他にすることがなくて冷蔵庫の整理をした。テーブルの上に広げながら冷凍食品の取捨選択をしていると、外で何やら動くもの…

83.道端ノン・アルコール・ビヤ・ガーデン

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>コロナ過で家にいることが多くなり、近所にどんな人がいるのか判って来ました。向かいの老夫婦自宅でお仕事をされています。最近になって独立していた娘さんが戻って来られました。向かいの隣こ…

82.うっとぉしい季節です

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>日本語の表現で「うっとぉしぃ」「かぃがぃしぃ」「おどろおどろしぃ」と言う雰囲気が気になりました。梅雨の時期の言葉としては打って付けの気がしたけど、使われるのは限られた分野だけだし、…

81.どこのおみくじ

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>大晦日にお参りに行くか、年が開けてからお参りに行くか迷っていたが、夜になっても然程寒くなったので出掛けることにした。ダウンを羽織って出たら暖かい。 心頭滅却すれば火もまた涼し逆の状況…

80.裏猫

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>外を見ると、車庫、路地、向かいのお宅が見えます。時折、ぶらぶら猫が歩いて行く。路地の奥には家が三軒あって、そのうちの二軒では猫を飼っている。二匹と一匹のようです。茶トラさん、キジト…

79.普段出来ないことをやる

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>皆さん、大変な状況だと思います。こんな時期だから、普段は出来ないことをしようと考えました。それは「取り残したプログラミング再開」です。これまで仕事でプログラムすることがありまして、…

78.またまた続きの続き

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>※ 「68.何となく前回の続き」の続きです マスターが戻って来ないので客が騒ぎ出した。「マスター、遅いな」「本当にビールの樽、取りに行ったの?」「帰っちゃったんじゃないの?」カウンターに…

77.日本的な言い回しを考える

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>インターネットで一時、話題になった、英語など他の外国語にない日本語の表現、「口寂しい」。何か食べたいんだけどまともに食事するんじゃなくて、ちょっと口に入れたい。何となく足りなくて口…

76.桜の「ゆ」と梅の「の」

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>風に吹かれて桜の花びらが窓から入って来た。直径 1cm にも満たない小さな花びらだ。出窓の上、メモ用紙の上に置いて細いサインペンで「ゆ」と書き、風で飛んで仕舞わないように出窓を締めた。浮…

75.RFO-BASIC、Oli BASIC、BASIC!

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>暫く前に「Tokiwa BASIC Compler」で遊んでいることに触れました。このコンパイラは 16-bit MS-DOS 用のもので、そのクローズド環境ではそれなりに楽しめましたが、Web サイトの仕事で スマホ(A…

74.ぶらりと入って来た女性客

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちらへ >>店の中は静かだった。客はいない。今なら店を出て、新しいビールの樽を取りに倉庫に行っても大丈夫だ。客が来たとしても、うちの客はいい人達が多いから自分が戻って来るのを待っていてくれる…

73.巴旦杏と葛根湯

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>「はっぴいえんど」のアルバム「風街ろまん」の一曲、「春らんまん」の途中に 巴旦杏もいろなしさね と言う下りがあります。ふとこの歌詞を思い出しました。 巴旦杏(はたんきょう)。その響きと…

72.勝手に話を進めるキャラクタ達

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>お話に登場するキャラクタは、性格や喋り方、癖などを設定して書きます。ビデオの台本もそうで、例えば二人(二匹でもいいが)で喋る場面は、書いている時それぞれに成り切って会話します。会話…

71.なんとなく方言を使う

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>私はコピーライターが中心ですが、ビデオ台本、e-ラーニング台本もかなり書いています。企業の紹介ビデオ、研修用説明ビデオ、製品紹介ビデオ、製品マニュアルの台本もたくさん書いたので、どこ…

70.三年寝太郎の目覚め

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>いくら起こしても起きない寝太郎が三年振りに起きた。「ふぁあ~っ!」と大きく伸びをして欠伸をすると辺りを見回した。 寝太郎は、ほんの少し寝たつもりだったが、周りは勝手に三年が経っていた…

69.アーティチョークを探した

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>高校の時、友人が伊丹十三に ハマってまして、追っかけじゃなくて「女たちよ」と言うエッセイのファンで、「おもしろいから読んでみな」と貸されました。確かにおもしろい。○○の話とか、△△の話と…

68.何となく前回の続き

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちらへ >> ドアが開いた続きを考えました。 白いペンキの剥げかかったドアが開いて、暖かそうな茶色のコートを着た男が入って来た。靴が雪を踏む音を立てた。ささくれたドアに雪が溜まって行く。肩に付…

67.短編集を考える

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>いくつか短編集を書きました。「七道奇談」 >> こちら「戯神」 >> こちら「胡乱五話」 >> こちら「七彩抄」 >> こちら「長靴を嗅いだ猫」 >> こちら「電柱人」 >> こちら短編ひとつ書くのと、短…

66.ここ掘れワンワン

電子書籍を書いています、楠田文人です。 電子書籍はこちら >>「花咲か爺さん」が拾って来た犬が、畑で「ここを掘れワンワン」と吠えるので掘ってみると、大判小判がざくざく出て来た。 「ちょっと待ったぁ」「どうした?」「犬が『ここを掘れ』と言う時に、…

65.4001

電子書籍を書いています楠田文人です。 電子書籍はこちら >>お話を書くのに使っている訳ではありませんが、万年筆をいくつか使っています。万年筆を使おうと思ったのは 20 年くらい前。企画書や文書をコンピュータで作るようになって、ふと文字を書いてみる…

64.続・限定的念力

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >> 「60.限定的念力」の続きです。長くなって仕舞いました。 朝倉と学食に入って行くと平井がいた。赤いポロシャツを着て、こちらを見付けて喜んでいる。「いいところで会った、戸田に朝倉。頼みが…

63.「うしろまえ」か「まえうしろ」

電子書籍を書いています。楠田文人です。 電子書籍はこちら >>T シャツやトレーナー、セーターのどちらが前か後ろか判らなくて、前後を間違えてしまうことがありませんか。湯上がりのシャツを間違えると、脱いで着直さなきゃいけないのが面倒です。夏はちょ…