26. Haven't We Met

電子書籍を書いています。楠田文人です。

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春っぽい感じがするジャズです。ジャズのシンガー&ソングライター、ケニー・ランキンの曲。

 Haven't We Met(ケニー・ランキン)はこちら >>

軽快なワルツでアン・サリーも歌っています。

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これ以外にも、メル・トーメ、カーメン・マクレーなども歌ってます。
歌詞の中に「Haven't We Met」が出て来るのですが、英語って男言葉と女言葉が日本語程はっきりしていないので、「お会いしましたか?」なのか「お会いしたかしら?」なのか判りません。女言葉で訳した方がしっくり来ます(ご興味のある方は歌詞を Web で検索してみてください)。内容もおしゃれで女性が歌うとよさそうな、一昔前のミュージカルの感じで、オードリー・ヘップバーン主演、ってとこかな。
この曲を演奏するのはとても難しい。うちのバンドの楽器構成がサックス、ピアノ、タイコ、ベースだったからかも知れませんけど、中々軽い感じを出せません。タイコの刻み方か、ピアノのリズムか、はたまたベースのせいなのか結構悩みましたが、毎回違う理由で軽い感じならない。ギターがリズムを刻んだら軽い感じが出たかも。

三拍子と言うか、ジャズワルツってそれ程多くありませんがどれも名曲です。

 Some Day My Prince Will Come(いつか王子様が)マイルス・デイビス こちら >>

 Walts For Debby ビル・エバンス こちら >>

三拍子そのものがジャズでは珍しいので印象に残りやすいのでしょうか。三拍子の曲はブルースっぽくないので近代音楽的な雰囲気が出るのかも。マイナーブルースなら三拍子もいい感じですけど、そもそもジャズとワルツって相性がいいとは思えない。相容れない世界ですからね。
変拍子で一番有名なのは「テイク・ファイブ」でしょう。

 デイブ・ブルーベックのテイク・ファイブはこちら >>

これは 5 拍子です。最近の(最近でもないが)Fusion 系では平気で変拍子が登場します。これはタル・ウェルキンフェルド。

 タル・ウェルキンフェルドのセレンディピティ>>

不思議なことに、ジャズでも三拍子ではない変拍子だとしっくりします。昔から変拍子があったみたいな感じで馴染んでしまう。と言うよりは、三拍子がジャズにとってちょっと変わった雰囲気を持っているのかもしれません。

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「先生、何故三拍子だけジャズで異質なのでしょうか?」
「それはだな、ジャズはブルースが基本。ブルースと言うことは四拍子だな」
「ブルースは四拍子だけじゃなくて、六拍子もありますね?」
「ある。六拍子だがシャッフルで考えれば、四拍子と同じだ」
「同じですか?」
「そうだ。演奏する側にとってだが、ノリが違うだけで同じだ」
クラシック音楽では三拍子がありましたねよ?」
「あった。だがクラシックの場合、昔は小節と言う区切りがなかったから、拍子と言う概念がなかったに等しくて三拍子とは言えないがな」
「三拍子はなかったんですか?」
「いや、あった。二拍子と三拍子で全てを表していた」
「三拍子は結構古いんだ。三三七拍子も古いですよね?」
「それは拍子ではない」