56.映像に合った BGM

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新しいハリウッドゴジラ「King Of Monsters」が公開されました。この手の映画では恒例となった批評や文句が絶えませんが、観客としては怪獣が出っ放しでずっと戦ってるのが希望の気がする。面白いなと思ったのが BGM。怪獣が現れるシーンのバックで、ドビュッシーの「月の光」が流れています(予告編です)。クラシックと怪獣映画ってのは面白い組み合わせです。小さな音じゃなくて、音源ボリュームを大きくすることで、かなり効果的な印象を与えることが出来ると思います。
ゴジラ映画の BGM と言えば、登場感のある伊福部昭の音楽で有名になりました。登場を盛り上げる効果音的な使われ方もしています。
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まーしかし、ゴジラくらいになると、バックで何が流れても不思議ではありません。使い方によるだろうけど、クラシックだろうがロックだろうが、現代音楽だろうか、何でも合いそうです。ただ、必ず街を破壊しながら進む騒音が入るので、それでも大丈夫なバックになりますので、三味線ゴジラはだめですけどね。
映画やビデオなどで、映像と音楽の印象における割合は 7:3 だとか。映像が 7。それだけ音楽はおまけになってるらしい。確かに、あの映画のあのシーンのバックにどんな音楽が流れていた? って聞かれると、覚えていない。映像はすぐ蘇って来ても音楽は思い出せない。
逆に、音楽と映像がマッチしている映画と言えばミュージカルです。当たり前ですが。「サウンド・オブ・ミュージック」「マイ・フェア・レディ」など、曲が流れるとそのシーンが思い浮かびます。ブルース・ブラザースで、ブルーズ・モービル(よーするに中古のパトカー)をジェイクにけなされたエルウッドが腹を立て、跳ね上げ橋を飛び越えるシーンのバックは「Can't Turn Your Loose」でした。キャリー・フィッシャーが二人のアパートにロケット弾を打ち込んだ時のバックは、「ピーター・ガンのテーマ」でした、って、結構覚えてるな。多分、BGM ではなく曲として聞いてたんだろうと思います。

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「ピーター・ガンのテーマ」はブルーノートだらけの曲で、テーマ自体セブンスの音から入ります。この入り方はジェフ・ベックの「Rock Me Baby」のソロと同じだな。面白いもので、ジェフ・ベックジミー・ペイジの弾くフレーズには、ブルーノートの中にもイギリス古来の音階が出て来ることがあります。レッド・ツェッペリンの 3、4 枚目以降がそうですね。クラプトンの演奏はブルーノート中心で他の音階はあまり混じらない。プレーヤーの癖なんでしょうか。