29.平凡な名前とお思いでしょうが

電子書籍を書いています。楠田文人です。
 電子書籍はこちら >>

お話に登場する人やそれ以外の名前は至って平凡に見えますが、これでいて結構考えているのです。名前が決まらなくて一日悶々としたり、簡単に決まっても文章にはめてみると何となく会わなくて困ったり。そんな中でそれなりに考えた、お話に登場する名前をご紹介します。

宮城谷夏子
最初「音子」にしてたけど、変換の学習機能で「音子」と「男」が入れ代わるため、面倒になって夏子にしました。
三月堂さん
鼻先案内犬シリーズの主人公、豆柴犬の三月堂さんです。「三月堂」ではなくて「三月堂さん」までが名前なのは、「鼻先案内犬 5 ドッグスクール」に書きました。
 夏子さん、三月堂さんが登場する「鼻先案内犬シリーズはこちら >>

内田百閒の「件(くだん)」からアイディアを貰いました。顔が牛で体が人間の件が生まれ、予言をすると死んでしまうと言う話です。にんべんの字を探して佯を見付け、これで書けるとほくそ笑みました。
 「佯」はこちら >>
小石弥平
親友(故人)のペンネームです。背が低かったので自嘲的に「小さい医者」と言う意味で、「こ・いしゃ」としたらしい。何となくあちこちに登場する刑事さんの名前になりました。「深大寺線物語」では止まり木探偵としてお世話になっていて、次のお話も進んでいます。
 「深大寺線物語」はこちら >>
紫空(しくう)
七堂奇談「紙魚」で、水墨画から抜け出た虎を捕まえる絵師の名前です。釈迢空折口信夫)から貰いました。このお話は光景が伝わるようイメージを重視したので、名前も文字のイメージを重視しています。
 七堂奇談「紙魚」はこちら >>
支素瑠祇(シスルギ)
東多魔川鉄道物語に登場した猫に宿る霊です。丁寧でおとなしいなやつかと思ったら、小うるさいうざったいやつでした。鼻先案内犬番外編高山宜定編にも登場し、厚生労働省衛生調査室の冷蔵庫の上の猫のぬいぐるみに宿っています。
 シスルギが登場するのはこちら >>
 こちらも >>
電気ボーナス
これは平凡ではないですね。元はある企業のコンテンツに登場するキャラクタで使おうと提案した名前ですが、簡単に却下されました。何となく取っといて「壜詰の不安」で使いました。どちらかと言うとあまり近寄りたくはないけれど、凄い人です。
 壜詰の不安はこちら >>
ガロルフ
ガロルフのシリーズには妖精がたくさん登場します。実際(っつーのは変だけど)にいる妖精の名前もあれば、作ったのもあります。主人公のガロルフは「Were Wolf」から考えました。それっぽい名前を考えるのが楽しいけど大変でした。
 ガロルフが登場するのはこちら>>

f:id:kusuda_fumihito:20180526080733j:plain

「Zマーカスでなければならぬ」
漱石の「我が輩は猫である」の一節に、登場人物の名前が決まらないバルザックがパリを散歩していて、裁縫屋の看板に「マーカス」とあるのを見付け、この上に「Z」を付けて「Z.マーカス」にすると申し分のない名前が出来る、と言うのがあります。
今、書いているお話に登場する人の名前を「テジャルスーム」にしました。これも申し分のない名前だと思っているのですが、ほとんど出番がない。せっかく思い付いた名前だから終わりの方でまた登場させようかなぁ。