21.A Nightingale Sang in Berkeley Squere
きれいなメロディで有名なジャズの曲です。ナイチンゲールは美しい声で鳴く鳥で、日本名「小夜なき鳥」だそうな。ヨーロッパ中心に棲息し、日本にいないみたいです。マンハッタン・トランスファーのコーラスが鳥肌もの。
この曲の邦題は「バークレーのナイチンゲール」って、なんか味も素っ気もないタイトルだなぁ。歌詞の雰囲気が全く伝わらないじゃん。歌詞は「Nightingale Sang Lyric」とかで Google 検索するとたくさん出て来ます。
バークレー・スクウェアの「スクウェア」は「正方形、四角い、広場」って意味で、四方をビルに囲まれた場所を言うらしい。ビル街であなたに出会った夜、広場でナイチンゲールが鳴きました。
日本じゃ「スクウェア」に該当する場所をあまり見掛けません。ビル街でそこだけポカっと抜けてるのは、神社があって建てられないとか、「何も建てるな」と遺言に書かれてたとか、ビルで囲まれちゃって建設機械が入れなくて建てられなくて人も入れないとか理由があるのではないだろうか。バークレー・スクウェアはロンドン、アメリカのタイムズ・スクウェアも有名ですね。アメリカのマジソン・スクウェア・ガーデンは Led Zepperin ライヴで知られています。頭がスクウェアになっちまいました。
「バークレーのナイチンゲール」は、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、アニタ・オディなど、多くの有名な歌手が歌っています。
びっくりしたのはモデルで有名なトゥィッギーが歌ってたことです。
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音楽を題材にした小説に登場する音楽家は、天才的だけど奇行や悪癖が多い人物として描かれているように思います。題材がジャズかクラシックか、また R&B かロックかでも違いますが、その作家がリスナーで、音楽を作り演奏するとはどういうことか理解していないのではないだろうか。ジャズは麻薬、クラシックはストイック、ロックは破天荒、みたいなステレオタイプがありそうです。
「深大寺線物語」ではジャズ好きを主人公にしています。また、音そのものを題材にした作品を書きました。
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絵画を題材にした小説にはマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」があり、第一章「スワン家のほうへ」にヨハネス・フェルメールの「デルフトの展望」が登場します。「失われた時を求めて」はプルーストの半生をかけて書かれ、二十世紀文学に影響を与えた作品として知られているのですが、何せ長い。原稿用紙で約一万枚。私はフェルメールの登場する場面は読んだだけで、とてもじゃないけど全部は手が出ませんでした。