43.ローハイドのイメージが変わった

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ローハイド(RAW HIDE)は、その昔ヒットした白黒時代のアメリカのテレビ番組で 、今でも DVD などであります。「ローレン、ローレン、ローレン」と言う主題歌が印象的ですね。ローハイドの意味を調べてみました。
「RAW HIDE」は RAW(生)の HIDE(生皮)で、牛の皮の鞭とか、カウボーイがジーパンの上に履いてる牛の皮のことを意味するらしい。RAW って、デジタルカメラのセンサーで得られた、処理していない生のデータも「RAW データ」って言いますね。処理したものが JPEG とかの画像データ。
その昔、デジタルカメラの開発に関わっていたことがあるのですが、サンプルが上がってくる度に得られる画像が変わる。色味が変わったりノイズが減ったり増えたり。聞いたら、RAW データを組み込み基板で処理して jpeg を生成する味付けが手探りだとか。完成までには時間が掛かりました。話が反れた。
ローハイドのイメージが変わったのは、映画「ブルース・ブラザース」を見てからです。刑務所から出所したばかりのジェイク(故ジョン・ベルーシ)と弟分のエルウッド(ダン・エイクロイド)が、育った孤児院の税金を払うために、昔のバンドのメンバーに呼び掛けてお金を稼ぐストーリーで、キャブ・キャロウェイ、レイ・チャールス、ジェームス・ブラウンアレサ・フランクリンなど、ソウルの錚々たるアーティストが登場します。また、スター・ウォーズのレイヤ姫役、キャリー・フィッシャーはジェイクを追いかける恋人役で登場してバズーカ砲でビルを壊したりします。最後辺りでエルウッドにナンパされたトウィッギーが、素っ気ない返事をしたのに待ち合わせ場所で待ってたり。カントリー&ウェスタン、ボサノバなど、ブルースのない音楽を、それとなくからかってるところが伝わって来ます。
誤魔化して出演したカントリー風レストランで、客層を構わずに「Gimme Some Lovi'n」を演奏し始めたら電源を落とされ、仕方なく「Raw Hide」のテーマを演奏したら受けて、「Stand By Your Side」なども大受けでした。
映画が日本に来る前に輸入盤でレコードを買った友達が、何でブルース・ブラザースにローハイドが入ってるか判らん、と言ってましたが、映画を見て謎は解けたのでした。

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映画ブルース・ブラザースには多数のミュージシャンが出演しています。バックバンドは「Green Onion」で有名なブッカー T&MG's のメンバーで、ベースのドナルド・ダック・ダン(数年前来日してホテルで亡くなりました)、スティーブ・クロッパーなど。
レイ・チャールスは「We Are The World」のヴォーカル・テイクに登場していてこれも凄い。ほとんどの録音が終わった後に、掛け声やヴォーカルを被せる場面で、ヘッドフォンから流れる録音を聞き点字の歌詞を読みながら、踊りながら相の手を入れて行くのですが、レイ・チャールスの声だけ聞いたら何を歌ってるのか判らない。最期に全部の録音が流れるとその意味が判るようになっている。
録音の途中で、アル・ジャロウハリー・ベラフォンテの「バナナ・ボート」を歌い出すと、ハリーは照れ笑いしながら聞いてる。音楽の話で長くなってしまった。